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アイドルから遠く離れて

アイドルと哲学。

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齋藤飛鳥について

僕は乃木坂46のファンではあるが、渾身込めて日ごろから応援しているわけではない。しかし、乃木坂を大好きであると共に、彼女たちを象徴的・哲学的な目線でずっと考えていることに変わりはない。その点については自負がある。

 先週の「乃木坂工事中」を見ていて、メンバーの星野みなみと齋藤飛鳥が「次世代のエース」とテロップで括られているのに思わず微笑してしまった。しかしよく考えてみたら、あながち間違いではないのかもしれない。AKB48ですら苦戦しているような世代交代だが、グループの第一線で活躍している白石麻衣、西野七瀬らと比べて補助的・サブ的なポジションで支えている星野や飛鳥といったメンバーから、なお無限の可能性を感じとることができる。

 僕は齋藤飛鳥については、『扇風機』のセンターを務めたことで強烈なイメージがある。PVも楽曲も素晴らしい。それから、彼女の美貌や可愛らしさに多くのファンが前からついているのだが、さらに魅力のあるメンバーがいすぎて、「現在」の乃木坂からすると白石麻衣や生田絵梨花ほどにはスポットライトを浴びのないのだろうと何となく思っていた。彼女がアンダーや選抜後列を往ったり来たりしているのも、そういうことの現れであろうと思っていた。

 千年に一人の逸材といわれるアイドルに、福岡出身の橋本環奈がいる。彼女の活躍はすでに周知のものとなってきているが、齋藤飛鳥の風貌や雰囲気はどことなくその橋本環奈に似ていないだろうか。あまりに可愛すぎる小顔、高くない背丈、透明な瞳に、清楚な佇まい……。僕は両者に似たものを感じる。そして、先週の乃木坂工事中を見て、僕は齋藤飛鳥が橋本環奈を超えうることを予感した。彼女はかつてこんなに輝いていただろうか…… 画面上にうつる彼女の挙動は優しく、慈悲に満ちており、メンバーへの情や礼を忘れない。若き美女は、そこまで清楚でありながら、矛盾に収まりきらないような妖艶さも同時にただよわせていたのである。僕はびっくりした。

 むろん、彼女の輝きが以前から地続きのものであることも分かっていたとは言いたくなる。彼女と星野みなみは以前、つまらぬことで週刊誌や私たちファンの心を騒がせていた過去がある。幼すぎるのだ。幼すぎる彼女たちを消費社会のただ中で踊らせることに、そもそも現代社会の狂気は刻印されている。アイドルは元来悲惨なものである。しかし、だとすれば、星野や飛鳥はその残酷な大人たちの社会に翻弄されることなく、青春の真っ只中を巧く切り抜けてきているのだ。

 僕は断言する。そう遠くないうちに、齋藤飛鳥は必ずや白石や西野といった現在の乃木坂の第一級で活躍しているタレントに、並ぶであろう。彼女について思考できることは、とりもなおさず幸せだ。

misty

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あヴぁんだんど論への下書き





須藤凜々花による哲学者MC(リクアワ2015)

今年のAKB48リクエストアワー(1/24)での山本彩・渡辺美優紀・須藤凜々花による哲学者MCが最高に面白かった。
既にネットではレポたくさん上がっているのですが、DVDに収録された向井地美音・大和田南那・込山榛香によるコメンタリーが更に面白い内容だったので、コメンタリーの一部をあわせて文字起こしをしてみました。
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さや姉「皆さん、こんばんはー。」
りりぽん「こんばんはー」
さ「リクエストアワー楽しんでますか?有り難うございます。ここではですね、私達3人がトークさせて頂こうかなとおもうんですけども、今日はですね、いま少し話題になってます、NMB48の若手をちょっとひとりご紹介したいなと思います。いま真ん中にいるのがドラフト会議でNMB48に加入しました、須藤凜々花ちゃんでーす。」
り「よろしくお願いしまーす。」
さ「簡単に紹介しますとね、ドラフト会議でNMB48のチームNに加入してきてくれまして、将来の夢が哲学者ということで、よろしいですか?」
り「間違いないです。」
さ「普段ですね、偉人の方だったり、ファンの皆さんのことを『先輩』って呼んでるじゃないですか。」
り「そうなんですよ。」
さ「それには何か理由があるんですか?」
り「私は本当に先輩メンバーを含め、歴史上の人物全て、人生の師匠には先輩とつけているんですが、勿論いまここにいらっしゃる皆さんも私の大事な先輩で、私は入る前からガチガチのAKBオタで、でもパジャドラ新規のペーペーなので、ここにいる大先輩方にはもう頭が上がらないので。」
《みーおん「織田信長先輩みたいな感じ?」
なーにゃ こみはる「・・・」》
さ「そんな自分を蔑まんでも。」
みるきー「もしかしたら、後輩もいるかもしれへんてこと?」
り「本当ですか。想定してなかったですね。でも第二回ドラフト会議で。」
さ 「あっ、そうやね、決まったもんね。」
り「ヤバいですね、キャラが(被ったら)。」
み「大丈夫、大丈夫。そんなキャラ、滅多におらん。」
り「良かったです。」
さ「今日はね、何かあるんですよね。」
り「今日は、先輩メンバーをちょっと哲学者に例えてきましたので、発表しようと思います。題して、『AKBメンバーを哲学者に例えてみた~い』」
《なーにゃ「科学的。」
みーおん「科学ではない。」
みーおん「哲学って何?」
こみはる「理科みたいなやつかな。」
なーにゃ「違うくない?数学じゃない?社会かな?」
みーおん「計算じゃないでしょ、考え方みたいな。この水はどうして水なんだろう、みたいな。」
なーにゃ「水は雨だからだよ。」
みーおん「雨ではない。私達みんな雨をのんでるの?」
なーにゃ「あー、そういうことか。」
こみはる「哲学って難しいね。」》
さ み「いえ~い」
り「声、張れてました?」
さ「ちょっと聞こえづらかったけど、大丈夫やったで。」
り「緊張しました。」
み「震えてるもん、手が。」
り「そうなんですよ。」
さ「暖かい目で見てやって下さい。」
り「はい、じゃあちょっと、キャプテン、恐れ多いんですが。ちょっと、すいません。(スケッチブックを渡す)」
さ「全然大丈夫ですよ。」
り「まず、最初に例えるのはバラエティーやドラマで活躍していらっしゃる、川栄李奈先輩、はい。」
み「手作り。」
り「誰でしょう、哲学者。」
み「誰かわかる人いますか?ルソー、エジソンとか聞こえてきた。」
り「さすが、さすが、いきますよ~、デカルト先輩でした。」
さ「おぉー、デカルトさんてこんな顔なん?」
り「そうなんですよ。」
み「どんなひと?」
り「簡単に説明しますと、フランスの哲学者で、近代哲学の父と呼ばれてまして、『我思う、故に我あり』という哲学界でもっとも有名な命題をたてた人なんですが、でも川栄さんと凄く似ている部分は他にあるんです。」
さ「何ですか?ロングヘアー?」
り「なんと、口癖が一緒なんです。」
さ「口癖?」
り「はい。それは、『嘘だろーが』」
さ「いやいや。」
み「これが嘘だろう?」
《こみはる「(デカルトが)日本語使えるんだね。」
なーにゃ「思った!日本人?デカルトでしょ?カタカナだよ。」》
り「本当なんですよ。あのー、デカルトさんは正確に言うと、全てを疑え、という。」
さ「全然ニュアンス違うて、それ。」
み「違うけど、意味は一緒やんな。全てを疑え、嘘だろうが。まあ確かにどっちも疑ってる。」
り「さすが、そんな理解力のある、みるきー先輩も例えてきました。」
み「え~~」
さ「あるの?みるきーも?」
り「勿論。みるきー先輩と言えば、アイドルのプロ、完璧アイドルですよね。渡辺美優紀先輩は、ルソー先輩!」
み「ルソーさんて結構有名な方ですよね。聞いたことある。」
り「そうなんですよ、さすが。容姿端麗で、頭も良くて、教科書に必ず出てくる。素晴らしい哲学者なんですが。」
み「どうして?」
り「でもあるんですよ、共通点。それは、『露出狂』」
さ「あー、はいはい。」
り「楽屋でその美しいお身体を、惜しげもなく披露されていらっしゃいますが、ルソー先輩も若い女の子たちにお尻を見せていたという。」
さ「なにしてんねん。」
り「素晴らしい哲学者です。」
み「でも確かに、考え方は全く一緒です。」
り「本当ですか!ルソー先輩が露出するのは、お尻をぺんぺんして欲しいからなんですよ。」
み「それは、違うんですけど。」
り「違いますか、違う性癖ですか。」
さ「・・次いきません?」
り「掘り下げませんか、わかりました。次は最後ですよ。締めはやっぱりこの偉大な大先輩、たかみな先輩。」
り「いらっしゃいますか?」
たかみな「ここにいるよ、こっちだ、こっちだ。」
さ「ちっちゃい。」
た「ちっちゃい言うな。関係ないだろ。」
り「そうなんです、たかみな先輩は言わずと知れた総監督、大先輩でございますが。名言がありますね、さやみるきー先輩。分かりますか?」
さ み 「『努力は必ず報われる。』」
り「100年前に同じことを言った人がいるんです。その先輩は、エジソン先輩!こう言ったんです。『天才は1%のひらめきと99%の努力』」
《なーにゃ「エジソン先輩って日本人じゃないよね?」》
さ「こじつけが凄い。」
た「ちょっと違う。」
り「ちょっと違いますか?」
み「99%の努力ということは、確かにそういうこと。」
り「みるきー先輩さすが、理解力が。」
た「助け船の出しかたね。」
り「でもですね、私のりりかネットワークを駆使して、生粋の『ねらー』ですから。エジソン先輩を調べあげました。」
こみはる なーにゃ「ねらーって何?」
こみはる「ねらってます、みたいな?」
みーおん「そう、そう。」
さ 「ほう。」
り「そしたら、たかみな先輩の生まれ変わりなんじゃないかと、あっ、逆か。」
さ「たかみなさんがエジソンの生まれ変わりだと。」
り「思うくらいの共通点を見つけました。発表しちゃいますよ、いきまーす、せーの。『髪が燃えたことがある』」
さ「ありましたね、そう言えば。」
た「まてまて、過ち繰返しすぎだからね。」
り「歴史は繰り返す、とはこのことですよ。そうなんですよ。しかもエジソン先輩は髪だけではなく、家まで燃えちゃったそうです。」
さ「たかみなさん、気を付けてください。」
み「こじつけですから。」
り「え~、最後に裏切りのみるきー先輩が。私はここにいる全ての偉大な先輩に追い付いて、AKBグループをもっとでかくするために、頑張っていきますので、皆さんの後輩としてこれからもよろしくお願いします。」
さ「よろしくお願いします。」
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aimai

ひめキュンフルーツ缶『電撃プリンセス』(CDレビュー)

ひめキュンの今のところの最新作アルバム『電撃プリンセス』(ジャケットもかっこよい)をやっと買って永遠リピート。すさまじい。

 一言で表すと、その圧倒的な熱量/エネルギーを持った楽曲とダンスがさらに先鋭化された、3枚目のアルバム――彼女たちは進化した。


『恋愛ミラクル!!』のときのような、まだ残るあどけなさやポップさは無い。代わりに、社会への、大人になることへの(「モラトリアム」)、さまざまな若者ゆえの葛藤、フラストレーションが爆発し、しかしそれをシンセサイザーロックとでもよぶべき驚愕の曲調に乗って、彼女たちは声高に叫ぶ。

ここにあるのは、一つの作品であり、届けられた一つの感情の総形式である。素晴らしい。


オススメは、
1、電撃フラストレーション 4、空っぽ、、、アイツ 5、浮世シグレ(MVあり) 7、パラダイム(シングル) 11、クライムクラウン 12、モラトリアム(シングル)

 一番オススメなのはアルバム曲の「空っぽ、、、アイツ」。変な(笑)タイトルとは裏腹に、テクノポップで、しかしフツーに感動してしまう(笑)
 代表作をあげろと言われたら、浮世シグレとモラトリアムを選ぶだろう。モラトリアムはこのアルバムのメッセージであり、浮世シグレはパフォーマティヴィティにおいてもダントツの曲である。

アルバムを3作出して3作目が好調なアーティストとは、とても筆者は嬉しい。 みすてぃ

乃木坂46は回転し、SKE48はジャンプする

乃木坂46はデビューから円弧・回転運動に憑かれたグループであった。坂から転がり落ちるボールが回転するように。まずは乃木坂46の歌詞の運動性を素描してみよう。

デビュー曲の『ぐるぐるカーテン』ではカーテンを巻き付ける〈回転運動〉で作り出す、「仲のいい友達と 2人きりの世界」が描かれた。衣装のフワッとしたワンピースが回転するときの柔らかさが、清新な印象を与えた。

『おいでシャンプー』の歌詞で最も鮮烈な印象を残すのは、ホースから出る水によって「霧のその中に 虹を見せる」シーンであり、虹が描く〈円弧〉の美しさである。
そしてシャンプーの香りが届くのは、君が「振り向いた時=身体を〈回転〉させた時」であった。

その後のシングル曲についても、詳細な説明は不要だろう。『走れ!Bicycle』ではペダルを回し、『制服のマネキン』では「河川敷の野球場で」「僕らの所へ飛んでくればいい」と歌われたボールは放物線を描いただろうし、『君の名は希望』では「転がってきたボール」が君との重要なシーンを生み出した。

『ガールズルール』では「バスタオルを巻き付け」、『バレッタ』では「振り向いて 両手で髪を留め」るといった回転する所作が歌詞に描かれた。カップリングの『扇風機』については説明不要だろう。

ところが『気づいたら片想い』以降、乃木坂46の運動性に大きな変化が訪れる。『気づいたら片想い』では運動が完全に失われてしまったのである。

『夏のFree & Easy』からは、より大きな変化が訪れる。「打ち上げ花火のように」という垂直運動が導入されたのである。そして『何度目の青空か』では「誰かが閉め忘れた蛇口」から流れ落ちる水の垂直運動が強烈な印象を残すことになる。

なぜ『気づいたら片想い』以降、乃木坂46の運動性が変化してしまったのだろう。センターが「静」の印象が強い西野七瀬になったからだろうか。乃木坂46の歌詞の世界を変化させた事件とは、SKE48との兼任メンバーである松井玲奈の参加ではないだろうか。

考えてみれば、SKE48ほど垂直運動に憑かれたグループがかつてあっただろうか。タイトルだけみてみても、『バンザイVenus』『美しい稲妻』のように〈バンザイ〉〈稲妻〉という垂直運動を伴う単語が使われている。

最近のシングルにおいても、『賛成カワイイ! 』では「Jump! Jump! 」の歌詞とともにジャンプし、『未来とは?』では時間が「次の一粒が 落ちた」という砂時計の砂の垂直運動で表現されている。

『不器用太陽』では「ワンピースの花が 風に舞い上がって」という美しいシーンが垂直運動によって描かれている。

回転運動から垂直運動へ。乃木坂46は48グループとの兼任という事件を運動性の変化として受け止めた。


(※)一方で水平運動に憑かれたAKB48は、生駒里奈が参加した楽曲である『心のプラカード』で、回転するプラカードを導入することになる。

(※※)昨年の乃木坂46真夏の全国ツアーのovertureは、ブンブン〈サテライツ〉の楽曲であった。

aimai